起業前夜<上><下> - 高任和夫
最近もっぱら経済小説にハマっています(笑。でも今回はどちらかと言えば起業小説ですね。中身も見ずにタイトル「起業前夜」に惹かれて購入した一冊です。しばらく読むタイミングをつかめず本棚に眠っていたのを休日を利用して読みきりました。元三井物産の高任和夫氏の著書です。
本書のはバブル崩壊後の証券会社、扶桑証券に勤務する猪狩雄二がかつて上場準備の際に出航していた居酒屋チェーンのオーナー黒豹から自社の不正―飛ばしの情報を教えられる事から物語が始まっていきます。扶桑証券は国から再建案を求められている最中、それを乗り切るために飛ばしに手を出すも、本心はこれを乗り切れば国が助けてくれる、自分たちは絶対潰れないという、訳のわからない自信。。。まっ、一昔の金融機関の様でしょうね。猪狩雄二は不正を正す為にもがき、苦しみつつも自分ができることに最大限力を尽くすも、左遷と言う結末に。ただその過程で得たもの、左遷されてから得たものはとてつもなく大きなものとなり、猪狩雄二はある道を進みだすことになりました。
ここで描かれている猪狩雄二というサラリーマンは、多くのサラリーマンを理想を映す鏡ではないかなと思います。彼のような生き方ができれば有意義な人生が送れるかもしれませんね。でもほとんどの人は、初めそれぞれ自分の信念、考えのもと突き進むけども、自分の弱さや、欲望に惑わされる事で組織の論理に封じ込められてしまっていますね。それによって、日々変わらない生活を送ってしまうことになっています。とても残念です。自分もそうですが。。。今のところ。
著者の高任氏は元商社マンということもあり、主人公の猪狩雄二の心情の描写には大変親近感を持てると思います。強いだけの心だけではなく、弱さや、迷い。。。
事実が明るみになるにつれて猪狩雄二の心境にも変化が出てくる。しかし、最後の決断ができないでいる。「独立」という決断が、今までお世話になった会社や社員に対しての気持ちに踏ん切りができずに。そんな彼を部下の中井は「タイミングは自分で決めるものではない。大きな流れに身をゆだねましょう」と言った。
深く考えさせられたシーンだった。
自分の思いや考えとは裏腹に、人には逆らえない大きな流れがあるのだろうなと思いました。それは現在の状況の上に、過去の経験を踏まえて。
今後自分の意識決定に対してそれは大きな意味で必然性があるのか、少し立ち止まって考えて動いていこうかなと思います。ただ感情で動く事にも意味はあると思うんですけどね。
商品の詳細
文庫: 362ページ
出版社: 講談社 (2005/12)
ISBN-10: 4062752743
ISBN-13: 978-4062752749
発売日: 2005/12
商品の寸法: 14.6x10.6x1.8cm
商品の詳細
文庫: 378ページ
出版社: 講談社 (2005/12)
ISBN-10: 406275309X
ISBN-13: 978-4062753098
発売日: 2005/12
商品の寸法: 14.8x10.6x2cm
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